創作活動

原画の値段のつけ方と絵の価値の考え方

水彩作家として活動をはじめ、即売会系のイベントに出展や作品の委託販売などを経験してきました。
また、グループ展の主催もしたことがあります。
そのなかで、様々な作家さんや作品を見て気になったことがあります。

原画のお値段、安くないですか???

とくに100円均一で買える小さな額のミニ原画は、描き込みがすごく細かいのに500円くらいから販売されていることもあります。
あまりの安さに驚くこともしばしば。。

青さんの描いたミニ原画。約5cmの絵です。

ミニ原画は「お手頃価格で」という風潮もあり、実際に値段をつけるのに困っている作家さんも多いようです。

そこで、今回は一人の作家としてミニ原画の値段について本気で考えてみました。

 

購入しやすい値段とは

まず購入する方、お客さんはどれぐらいの価格であれば購入しやすいのか、Twitterでアンケートをとってみました。


みなさんのご協力により、2,315票も回答いただきました。
ありがとうございます!!

一般的には400サンプルあればアンケートの精度が高いとのこと。
今回2,000以上のサンプルが集まったということは、このアンケートの信憑性は結構高いのではないでしょうか…!

アンケート結果をまとめると、以下のとおりです。

金額 パーセント 人数
~1,500円 32% 741人
~2,500円 30% 694人
~3,500円 17% 394人
それ以上でもいい 21% 486人
合計 100% 2,315人

アンケート結果を見ると1,500円以下が32%と一番多くなっています。
Twitterは年齢層が低めで10代の利用者も多いので、当然の結果かなと思います。

 

ミニ原画は本当に1,500円以下にするべき?

1,500円以下の希望が多いし
1,000円で販売しようかな?

決めんのはやっ!
そこはもうちょい考えよ!?

 

アンケートの結果を見ると、「1,500円以下」と回答している人は32%います。
ということは、あなたにたくさんのファンがいるなら1,500円で確実に買ってくれる人は68%いるわけですね。

でもそのミニ原画、本当に1,000円で販売するべきでしょうか?

もちろん、価格設定は自由ですし
「みんなが手に取りやすい金額にしたい」
と考えて1,000円で販売するのは悪いことではありません。

しかし、もしあなたが

「こんなに安く売ってしまっていいのだろうか?」
「本当は自分の絵を手放したくない!」

と考えているのであれば、もう少し価格設定について深く考えてみませんか?

 

実際に販売してみたらどうなる?

「私は安く販売したいんです!」
「とにかくたくさんの人に買ってもらいたいんです!」

という方は読まなくて大丈夫です。

先程のアンケートの結果で、一番多い「~1,500円」以外に注目していただきたいところがあります。
それが「それ(3,500円)以上でもいい」21%です。

このアンケート結果をもとに、以下の例について考えてください。

例① 1,000円なら買う人 … 68%

あなたが描いた大切なミニ原画が10点描けたのでイベントで販売することにしました。
値段は1点につき1,000円です。

あなたのファンが「1,000円なら買えるかな…」と7つのミニ原画が売れました。

ミニ原画の売上 … 7,000円

例② 3,500円以上でも買う人 … 21%

あなたが描いた大切なミニ原画が10点描けたのでイベントで販売することにしました。
値段は1点につき3,500円です。

あなたのファンが「3,500円でも欲しい!」と2つのミニ原画が売れました。

ミニ原画の売上 … 7,000円

結果

気づきましたでしょうか?
販売した数は5つも差があるのに、売上は同じになってしまいましたね。

もちろん単価が変われば安い方が売上が大きくなることもありますし、逆もありえます。
ここで気づいていただきたいのは、薄利多売で売れたからといって、必ずしも「作品が人気で利益になる」というわけではないということです。

 

原画という1点モノの貴重さ

現在の日本では絵を描くことを仕事にするのは難しいと言われています。

実際に、兼業でほかのお仕事をしながら絵を描かれている人も多いですし(私のことです)
逆にイラストレーターが本業でも副業をされている方もたくさんいるのが現状です。

だからこそ、価格について適当に決めてしまってはいけないと思います。


魅力のない作品は3,500円では売れないかもしれません。

でもそれ、1,000円だと売れると思いますか?
1,000円でも売れなかったら、500円で販売するんでしょうか?

 


原画というのは大量生産ができません。
その作品は世界で1つの、とっても貴重なものです。
1,000円で売れなかった作品を500円で売るより、次の作品を3,000円で売れるように努力した方がいいと思いませんか?

もちろん、500円で売ることが悪いわけではありませんよ!

でも私なら、「安いから」と買ってくれる人に500円で売るより、もっと上手くなった作品を本当に大切にしてくれる人にお迎えしてもらいたいです

高くても売れるように努力したり
逆に安く販売できるように速く描く技術を上げたり

「値段を下げる」以外にできることもいっぱいありますよね?

 

 

売れなかった作品は「勉強」としよう

ここまで読むと「値下げが悪い」みたいに思う方もいるかもしれませんが、そういうわけではないんです。

「わたし天才!素敵な絵が描けた!」と思っても、需要が無ければ売れません。
その作品は自己満足です。

なので、売れなかった作品を勉強として「値段を調整する」のはいいと思います。
素敵な作品だけど、描き込みが少ないから値段と釣り合っていない…
というようなことはよくあります。

・どれくらいの値段なら売れるのか
・値段を下げても売れないのか
・安い値段でたくさん売れたら値上げを検討する

こうして、自分なりの「自分の絵の相場」を調べてみてください。
ちゃんと考えて値段を下げるのと、むやみに「売れないから値下げしなきゃ!」というのは全然違いますよね。
この違いはかなり大きいと思います。

ちなみに、逆に「値下げをすると、あとで値段を上げにくい」と心配する方もいますが、そんな心配は無用ですよ。
ちゃんと需要があれば、値上げしても売れますから。
売れなければ、もとの値段に戻せばいいだけですしね。

 

【追記】絵に対する金銭問題

じつはTwitterで「絵にお金が発生するのはあたりまえやろ!」みたいなツイートがバズったことがありました。
関連▷【体験記】突然Twitterでバズったらどうなる?バズるってどこから?

だいぶケンカ腰のツイートだったにも関わらず、好意的なコメントをたくさんいただきました。
コメントくださった方はありがとうございます。

絵の値段、絵の仕事に関しては作家ではない方からも
「お金かかるのはあたりまえ!わたしなら喜んで払います!」
と言っていただけて、ひとりの作家として嬉しいです。

内容についてはあまり詳しく書いていませんが、そちらも参考までに。

 

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芸術とお金の関係は難しいですね。
私も絵の値段については何度も調整を重ねています。

あなたも困りごと、質問などありましたら気軽にお寄せください。